M2 1002 リフレッシュ作業(プチレストア) その1

 M2 1002、通称マルニ。マツダの実験工房「M2」がM2 1001に続いて世に送り出したメーカーコンプリートカー。エンジンなど動力系に手を入れたマルイチと異なり、車としての基本性能はノーマルのまま、アイボリーに統一された内装や本木目張りのセンターパネル、ブレーブブルーマイカの外装など、「大人のスポーツカー」として製作された1台。

 富山県内のオーナーが現車確認のない状態で購入。T.O.Racing Factoryを通じ、各部のチェックをさせていただいた上で納車させていただいた車です(こういう要望にも喜んで対応します。オークションなどでの購入も、事前に連絡いただければアドバイスいたします)。

 内装を含め、程度がそこそこ良い車でしたが、10万キロ、15年以上も経っていたため、各部が劣化していたのも事実。広島で開かれたロードスター20周年ミーティングなどのツーリングでオーナーが感じた症状は、、

・エンジンが吹けない
・ミッションががたがた
・足が終わってる。特にリアの挙動が変
・あちこちガタがきてる

などなど。富山の冬は、大雪や道路に融雪剤がまかれるため「冬眠」させるので、その間にリフレッシュをしてほしいという依頼が持ち込まれました。

 車を走らせてみた印象では、エンジンはまだまだ現役にたえる力強さがあるものの、トランスミッションは消耗していて交換がベターと判断。リフトアップしてみると、リアメンバーはNA8Cのものが使われていることが判明しました。リアの動きがおかしいのは、もしかするとメンバー交換時にブッシュの1G締め(タイヤが接地している状態で締め込む)をしておらず、ブッシュにストレスがかかっている可能性を指摘しました。オーナーが気にしていたオーナーとの話し合いで決定したメニューは、

・エンジンはそのまま
・ミッションはやはり交換
・マウント類は全て交換
・エキマニは中古マキシムに交換
・メンバーなどはレストア
・アライメント
・消耗品の交換

など。作業を進めるうち、劣化した部分だけを交換する「リフレッシュ」ではなく、コストをなるべく抑える形での「プチレストア」といった趣になりました。不具合箇所のリフレッシュということで、提案と見積りを出しましたが、10万キロノーメンテでしたので、オーナーとの話し合いの中で「今回できる作業は、全部してしまおう」という方向になりました。

 中途半端にお互い納得いかないまま、整備するのは何か眠れぬ夜を過ごしそうなので…。一番嫌いなのは、中途半端に何度も何度も、似たようなところを繰り返し整備することです!

 作業の詳細は次回以降レポートします。

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