ロードスターのサイドブレーキって、特殊ですよね。先日、整備していた車両は、色々と間違ってますね…。

↑間違いです。

↑正解です。

 さて、なんでこんな事になったのかを検証してみましょう

 この車両は、先月位に車検は受けてます。でも、ブレーキテスターで計ったところ、右リヤはサイドブレーキは10kgf程度しか数値が出ません。

 フットブレーキは、数値は右が110kgf、左が140kgfで左右差が6%。車検基準は8%以内ですので通ります。

 でも、右側の引きずりが30kgf程あります…

 今回はブレーキのオーバーホールでお預かりしましたので、バラしました。右リヤは、アジャストギヤとアジャスタースピンドルのギヤがなめていて、交換です。ガイドピンも左右とも交換でした。

 このキャリパーは、左右とも一度新品に交換されています。メッキの処理と汚れから推測すると、前回の2年前の車検時の交換かと思います。

 今回の車検で、キャリパーが固着していたためにサイドフレーキがまったく利かないので、とりあえず、室内のサイドレバーの根本のアジャストを締めたんでしょうね。締めても、締めても右のサイドが効かないので、限界を超えて締めてみた。

 ネジがなめるまで締めたけど、結局はサイドが利かないまま車検を通したと。なぜ、合格したんだろう???

 ロードスターもそうですが、サイドブレーキのワイヤーは1本のワイヤーから途中で2本に分かれて、左右のキャリパーにつながってます。どちらかのキャリパーが固着すると、問題ない側のキャリパー側がより引っ張られるので、左右のバランスがドンドンずれていく…。

 他の車種では、そんなに問題になりませんが、ロードスターのリヤキャリパーのサイドブレーキの構造って、本当にコレで利くのってぐらい、ギリギリです。オペレーティング・レバーの角度が非常に大事で、15度ずれるとサイドの利きが出ません。

 構造をキチンと理解しないと、面白い整備に繋がります…。

 今回は、勉強させてもらいました、このパターンはまったくの予想外で、初めてでした!! 普通は、ブレーキのオーバーホールで直りますけど、この車両は、サイドブレーキのフロントワイヤーの交換となります。

 問題は、この車両が普通に??車検を合格ですよね…

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