「足回りをヒットしたんだけど、見てもらえます??」ってよく相談があるのですが、この修理って、難しいんです。

 構造が単純な足回りだと、分かりやすいんですけどね。ダブルウィシュボーンの足回りは部品の点数が多いので、どれが曲がっているかの判断が難しい!! まずは現状の把握です。トーとかキャンバーの数値見て、実際に試乗して考えます。前にアライメントを取ってあれば、以前の数値とズレを考えることもできますけど、分からない場合は反対側の数値を基準にズレを予想して、リヤも見ます。関係ないリヤの数値でまったく全輪、合ってないのか、ヒットした部分だけがおかしいのかを判断します。

 後はバラして計って、変えて終了ならば楽なんですけど、大抵はバラして計っても分からないことが多いです。黙視で分かるぐらいのダメージでしたら、片側ゴッソリ変えるのが絶対間違いないです、結果一番安いかも…。

 たいしたことなさそうなのが大変で、変えて測定しての繰り返しで時間が掛かります。もちろん工賃も掛かります。

 1つの部品を変えてキャンバーは戻り、今度は違う部品変えてトーが戻る、となります。ある意味賭の部分が多いです。このパターンの場合はコレで意外と直ることもある、といった経験の部分もあります。

 まぁ、難しいんです本当に!! ボールジョイントなんて、元々可動する部品なんで計りようもないし、タイロッドエンドも同じ様に測定不能です。

 鯖トロ号も、以前は左前のアライメントがおかしかったんですよね…。最初に乗ったときにおかしいと思って、測定したら、キャンバー起こしても、起ききらない…。トーはアチラ向いている。ステアリングも取られる。ブッシュ交換の時に、片側全部変えました。

 ブッシュもひどい状態だったんで、乗り心地も最悪でした。デフもものすごいバッククラッシュで危険でした…。14万キロ、チューニングしっぱなしで、メンテしてない車両だったんです。

 チューニングだけすれば、何でも良くなると思っていませんか! 基本のメンテができていないと、チューニングの効果も半減。基本の状態が悪いと、下手するとまったくと言って良いほど何が変わったのかも分からないこともあるよ。

 メンテも年式経った車両には、立派なチューニングなんだけどな。

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