衝撃的画像から…

 ロードスターのリヤフエンダーの下側が腐るのは、リヤフエンダーとサイドシルのコーキングのクラックから始まります。

(右の矢印です)。後ろ側の矢印からも水が侵入して錆たのが分かりますよね。

 普通の車両と違って、サイドシルの上にリヤフエンダーが被さってます。普通の車両とは逆なんです、オープンカーなのでサイドシルの剛性出すために、独特の作りになってます。コーキングにクラックが入ると、水が侵入いたしますがパネル同士の隙間がものすごくタイトですので、水分が抜けずにたまります、少しの錆が発生すると、ドンドン広がります。表のパネルだけですと剛性にほとんど関係はないんですが、

 下の斜めに入ってる補強が大事なんです。このパネルは斜め上に伸びて、ドアのストライカーを保持してます。つまりドアの支えにもなっております。鉄板の厚みも強度もペラペラのリヤフエンダーの倍の厚さがあります。

 今回は、下の一番大事な補強が完全になくなってますので、修理が複雑になります…。取りあえず錆びて使い物にならないパネルは撤去して、スポット・サンドブラストで、錆を落とします。

 普通の車種では構造の一部は無いのですが、オープンカーのサイドシルですので、強度が必要な部材が入ってます。コレは切り取ってしまうとまずいので、適当に穴を塞いでしまうわけにはいかないので、内部を作り直すしかないのですが、このパネルが、複雑な形状で鋼板の厚みも2o以上の厚みがあります。

 解体の車両(旧耐久号)から、必要な部分を切り取って、繋ぎ合わせる作業となりましたが、場所が場所ですので、部分的には3枚の部品が合わさってます。コレを1枚1枚、剥がして使いますが、解体の車両から切り取ったのも錆びてます(泥沼の連鎖)。コレを1枚、1枚サンドブラストで処理して、錆が残っている可能性がありますので、錆を止めて、錆止めして、塗装して削って溶接して、錆止めして…。

 表のパネルを張り合わせるのにリブを成形して貼り付けの準備。

 やっと表のパネルを接着するところまで終わりました。

 表のパネルはパネルボンドで接着いたします。中の構造材は、溶接です。強度が必要なのと、錆止めの処理ができるのでね。表はパネルボンドなのは、溶接では熱が入ってしまい、錆びてしまうのを防ぐためです。もう1つは、パネルボンドでコーキングの代わりにもなるからです。

 最後は内部に水が付かないように処理致しますけど…。

 片側が形に成ったので、反対側も始めました。

 両側一度にすれば早いのですが、片側だけに集中して色々な方法を考えて、残りの片側を修理する方が、実は良いんです〜。散々格闘してあきらめて、素直に最初からあきらめれば、サクサクっと進むのだから…。

 反対側は3分の1の時間で仕上がりますし…。

 しかし、コノ作業は、次回から新品のパネルを用意して進めた方が結果は安くなるかも(無理なものは、無理だと思った)。

 構造材の溶接完了!!

 続いて外側のパネルも接着完了〜〜

 8か所から押さえて密着させます、反対側は5か所で固定して、失敗してやり直しましたので…。この後に、一応コーキング追加して、内部からコーティングして、パテ入れてチッピングコートして、塗装して完成です。

 途中で、心が何度も折れそうになって何とかできあがりました。

TOPへ