さてロードスターの錆ですが、色々と経験して修理して、研究して分かったことがあります。

 錆びる原因はいくつかあります。

 1つはサイドシル及びリヤフエンダー下部を板金した事による錆。

 通常の板金は、裏側から押し出す事ができない場合は、表から引っ張り出すのがメインの工法として採用されます。丸い輪っか状のパーツをボディーの表側に溶着して、スライディングハンマーで引っ張ってパネルを元に戻します。小さい範囲で溶着して熱も最低限しか加えませんが、やっぱり熱は入ります。表側は大丈夫ですが、裏側は確実に錆が発生いたします。

 もう1つが厄介です、まったく表側に損傷がなくても、裏側からジックリと確実に進行する錆があるのです。

 この写真はリヤフエンダーのアウターを切り取った所ですが、前後の2か所から錆が進行しているのが分かるかと思います。

 左側の錆は、サイドシルとリヤフエンダーのパネルの間から水が入り込んで発生しています。パネルの合わせ目は、コーキングで処理してありますが、ハイグリップタイヤとハイレートの足でパネルが動いて、コーキングにクラックが入って水が入ったのが原因です。コーキングが割れているようでしたら、早急に処置をしましょう。

 右側は、もっと分かりにくいです!!

 タイヤハウスの内側からです。ロドのボディの真ん中に付いてる凹みの上辺りです。


 ここら辺は、何枚ものパネルが複雑に重なってるのですが、一部の車両はコーキングが端っこまで入ってません!! もちろん水が入ります。下に流れて、サイドシルの右の部分に流れ込みます。ここまで書いて、アレ??、ロドのサイドシルは水抜きの穴が空いてるから大丈夫だと思った人がいるかと思います。

 確かにサイドシルには前後4か所の水抜きの穴は空いてますが、今回のリヤフエンダーの錆はサイドシルとリヤアウターパネルの間の錆が原因です。

 理解しやすいように、図で書きました。

 サイドシルの水抜き穴は1の所です。ここは詰まらない限り大丈夫です。問題は2の場所です。リヤフエンダーのアウターパネルははサイドシルの上にスポット溶接で留まっています。キチンと外から水が侵入しないように、コーキングでキッチリと塞いであります。

 問題なのは、外からの水は想定内なのですが、内側から貯まる水のことはまったくの想定外なことです。

 1枚目の写真見れば真ん中の丸い穴2つからサイドシルの水抜きの穴に抜けたのが分かるかと思います。この原理が分かれば、対策と、修理の仕方がまったく変わると思います。できない方は、当社まで(笑)。内装外して、タイヤ外して、色んな部品外せば、色々と対策は可能ですよ。こちらの施工も、考えて施工するか、ただ塗るかはご想像にお任せいたします。

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