サスペンション交換

仕様変更が自由自在、オーバーホールも安い
ZEAL FUNCTION Xがお薦め!


税込み価格 24万6,750円〜(仕様による)
工賃 15,000円 4輪トータルアライメント調整(外注) 19,800円

 「ストリートからサーキットまでカバーできるサスペンションが欲しい」。こだわりの足回りが奢られているロードスターを選んだドライバーは、やはりこだわりのサスペンションキットを求めるもの。ただ、日ごろ使える乗り心地とスポーツ性能という、相反する性能をいずれも満たすサスペンションはなかなかありません。また、見た目にこだわり車高を低くしたい人は、きちんと設計されたサスペンションでないと、特にリアのストロークが不足して常に底突きの状態となってしまい、乗り心地が悪くなるどころかスポーツ走行すらままならない危険な状態となってしまいます。

 T.O.Racing Factoryでは、サーキット走行を視野に入れている人にはENDLESS(ブレーキメーカー)のZEALブランドのFUNCTION Xを薦めています。

特筆すべきは「バネ」

 FUNCTION Xに使われているENDLESS製のX COILSは、バネの縮み始めの領域から、ストロークしている段階まで、リニアな特性を持つことを売りにしています。初期の段階に素早くスプリングレートが高まり、かなり縮んだ領域まで表記のバネレートで、くせのない伸縮をするということです。

 「バネなんてみんな同じ」と思われるかもしれませんが、他メーカーの同じレートのバネでは問題ないのに、縁石に乗ると飛んでしまうようなバネや、乗り心地を重視し初期の段階が表記のレートよりも柔らかくなっていて、ふわふわと安定しないバネもあるのです。

 リニアな特性は乗り心地に貢献するほか、ドライバーに的確に路面やタイヤの状態を伝えるので、安心して限界領域まで攻め込むことができます。また、路面の凹凸をいなす感じで収縮するので、外から眺めていても、タイヤが適切にストロークして、車体が安定していることが分かります。

 同じようにリニアな特性を売りにするバネも他にありますが、X COILSは1本8400円と求めやすい価格設定になっています。それぞれのドライバーが走るフィールドによって、気軽にさまざまなバネレートを試すことができるのです。

バネを生かす30段減衰力調整システム

 FUNCTION Xは、X COILSというバネの特性を生かすために開発され、ストリートからサーキットまでをこなすマルチプレーヤーとして、30段の減衰調整可能なショックが組み合わさっています。減衰はロッド先端のダイヤルで調整し、「カチカチ」とクリック感がありますので、「最強から10段戻し」などと、セッティング中も確実に調整することが可能です。

 ストリート専用モデルにFUNCTION Xsがあり、こちらは6段調整が可能になっていますが、Xを強く薦めています。30段調整とはいえ、2段調整するだけで大きく特性が変わります。6段の調整だけだと1段変えるだけでより大きく特性が変わってしまい、コースとの相性が合えば幸いですが、なかなか合わせきれないのが現実だからです。

 車高は全長調整式ですので、サーキットで「フロント3ミリ車高アップ」などといった調整が短時間で可能です。

自由自在の仕様変更とリーズナブルなオーバーホール工賃

 メーカーの出荷状態でもかなり優秀なサスペンションですが、減衰変更を可能としているところにもメーカーのこだわりを感じます。そのことは、オーバーホール時に、減衰変更料金を1回無料としているところにも現れています。オーバーホール料金もリーズナブル。他メーカーでオーバーホールに出すと、オーバーホール工賃のほかに、ロッド交換で1本2万円という具合に部品代を数多く請求されることがあります。FUNCITION Xは基本工賃1本10,500円で、これまで首をかしげるような請求もありません。末永く使っていただくために「その後」のことも考え、お薦めしています。

耐久レースで鍛え上げた特別仕様

 T.O.Racing Factoryでは、間瀬の耐久レースなどで培ったノウハウを元に出荷時にノーマル175mmのバネハイトを152mmへと変更しているほか、ドライバーが求めるバネレートによって適切な減衰を個別にオーダーしています。

 さらにサーキットでの性能にこだわるドライバーにはさらにフィーリングを向上させる「隠しメニュー」も用意しています。

 ノーマルのアッパーマウントは写真のようにダンパーのシャフトをゴムブッシュで受ける形。ストロークが発生したときに、ゴムがつぶれ切ってからようやくまともにダンパーの減衰力が発生する形になります。せっかくの減衰30段調整もノーマルアッパーマウントでは2、3段ずつ調整しなくては変化あいまいで変化が良く分かりません。

 T.O.Racing Factoryでは、CUSCOのピロアッパーと専用のカラーを組み合わせて使用するモデルを設定。変化は劇的で、ステアリングの切り始めのフィーリングが向上したほか、段差を越えたときのショックが軽減するというおまけも付きました。その変化は、最初の交差点で分かるぐらいで、ダンパーの減衰も1段の調整で違いがはっきり分かるようになります。ノーマルからピロアッパーマウントに交換されたすべてのユーザーがその変化に満足しています。フロントのみの交換を勧めていますが、突き詰める人はリアもピロアッパー化をするモデルも用意しています。

 さらに、N-ZERO耐久クーマックカップのレギュレーションで、ノーマルのビスカスデフで闘っている車両でコーナーの立ち上がり時のトラクションを得るため、スイフトのヘルパースプリング(バネレート4キロ)を組み合わせたスペシャル仕様も用意しています。トルセンデフや機械式デフを入れている人でも効果があると思いますので、詳しくは来店して質問してください。

 走るフィールドによってどのように調整していけばタイム向上につながるかもアドバイスできます。ただ、出荷時に減衰変更をしているという形になり、「オーバーホール時1回減衰変更無料」という特典は受けられませんので注意してください。考え込んだ減衰となっていますので「結果安い」と自負しています。

 定番のサスペンションキットと違い、まだまだロードスター乗りに浸透しているメーカーではありませんが、そのフィーリングを知りたい人はぜひ、T.O.R.F.走行会などの機会に試乗してみてください。


 ZEAL FUNCTION X T.O.R.F. Special 価格表

標準仕様
(バネレート F12キロR10キロ152o)
24万6,750円
フロントピロアッパーモデル
26万8,275円
リヤアシストスプリングモデル
29万7,675円
+リヤ・ピロアッパーモデル
31万9,200円

 

街乗りと割り切る方は

 FUNCITION Xは十分、ストリートユースに耐えるサスペンションですが「街乗りをもっとも重視する」というドライバーには、RS Factory STAGEの「ショコラバネ」を薦めます。ノーマル形状のショックに合わせるバネは車高を下げることを重視したものが多い中、十分なストロークを確保するために考慮されているバネです。KONIのショックと組み合わせた「スーパーチョコバナナ」は、KONI特有のしなやかさが光るサスペンションキットで、ツーリングやサーキットでの走行会を楽しむには十分の実力を持っています。ただ、絶対的なタイムをとことん追求したいという方、車高を下げたい方には向きません。前後とも、フェンダーとタイヤの間に指が3本入るほどの車高になります。ノーマル形状のショックで十分なストロークを確保するなら、必然的にこのくらいの車高となります。

 これらのほかにも、お好みのサスペンションを適切に調整した上、取り付けますので、ご相談ください。

TOPへ